2つの検査を併用で糖尿病の早期発見

糖尿病の検査として、標準的な「Hb(ヘモグロビン)A1c」と空腹時血糖値の二つの血液検査で、いずれも"糖尿病予備軍"だった人が、実際に糖尿病を発症するリスクは、両方とも異常なしの人の約32倍との研究結果を、筑波大などの研究チーム(*)が発表しました。

【スポンサードリンク】
【スポンサードリンク】

一つの検査では発症リスクは6倍、両方ではなんと32倍に


糖尿病の早期発見は大きな課題



「Hb(ヘモグロビン)A1c」とは、過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する血液検査です。


研究では、虎の門病院の人間ドックの受診者で、糖尿病の既往歴がない約6,200人のうち、「HbA1c」や「空腹時血糖値」が比較的高いものの、糖尿病の基準には達しない、いわゆる「予備軍」の「前糖尿病状態」だった約2,100人を以後追跡した研究でした。


「前糖尿病状態」とは、糖尿病と診断されるほどではないが、血糖値が高いなど発症のリスクを抱えた状態のことをいいます。日本では「糖尿病予備軍」ともいわれています。


研究チームでは今回、米国の指針に基づき、「HbA1c」が5.7〜6.4%、「空腹時血糖値」が100〜125(100ml当たりのmg数)の人を「前糖尿病状態」としました。


その結果、約5年のうちに糖尿病を発症したのは、「HbA1c」だけが高かったグループでは7%、「空腹時血糖値」だけが高かったグループでは9%、両方とも高かったグループでは38%だったといいます。


倍率に換算すると、片方の検査結果で予備軍だった人の発症リスクは、ともに正常な人の6.0〜6.16倍となり、両方の結果とも予備軍とされた人は31.9倍となり、飛躍的にリスクが高くなりました。


研究チームでは、この二つの検査を組み合わせれば、将来の発症者を見逃す事が大きく減らすことができるのではないかと結論付けています。


脳血管や心臓の病気、網膜症などの合併症を引き起こす糖尿病の早期発見は大きな課題となっているところでしたので、今回の研究結果は糖尿病の早期発見のために一歩前進した結果となりました。


*筑波大学と虎の門病院(東京)の研究チーム


【参考記事】
内臓脂肪は血糖値を上げ、糖尿病や耐糖能異常を引き起こす
日本糖尿病学会が「空腹時血糖値」の基準引き下げを見直し?
糖尿病が怖いのは、血管にダメージを与える合併症にある
糖尿病は、健康診断の血液検査や尿検査で容易に見つかる
内臓脂肪が溜まるとなぜ血糖値が上がっていくのでしょうか

【スポンサードリンク】

2011年07月03日 11:25