脂肪は悪者ではなく、体にとっては不可欠な成分
メタボリックシンドロームの要因である内臓脂肪は、「脂肪」とついているので、食事で「脂肪」を摂取することが、良くないことのように思われています。皮下脂肪や内臓脂肪は、そのほとんどが中性脂肪でできていますが、増えすぎると問題を起こすだけなのであって、体にとっては不可欠な成分なのです。
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●多価不飽和脂肪酸(EPAやDHA)はむしろコレステロールを低下
私たちの体の脂肪組織の主な働きは・・・
1)寒さから身を守り、体温を一定に保つ役割
2)体の中で「宙吊り状態」になって存在する各種臓器を外部の衝撃から守る役割
3)生きていくうえで必要なエネルギー源としての役割
という働きがあり、脂肪は生命を維持していくためには、なくてはならない大切な栄養素なのです。
私たちが摂取する油脂の多くは、グリセロールに脂肪酸がついた物質です。油脂の成分の、実に90%はこの脂肪酸です。そして、含まれる脂肪酸の種類によって、油脂の性質や働きも違ってきます。脂肪酸には、構成する脂肪酸の種類によって、大別すると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という2種類の脂肪酸があります。
「飽和脂肪酸」には、パルミチン酸やステアリン酸などの種類があり、牛肉、バター、ヤシ油など動物性油脂に含まれています。これらの飽和脂肪酸を多く含む油脂は常温(20℃位)で固体となります。飽和脂肪酸は中性脂肪と同じ構成材料でできており、体内で作ることができる脂肪酸です。飽和脂肪酸は酸化されにくい反面、体の中でコレステロールを上げる特徴があります。
「不飽和脂肪酸」はさらに、炭素の二重結合の数によって、二重結合が1個しかない一価(単価)不飽和脂肪酸と、二重結合が2個以上ある多価不飽和脂肪酸とに分けられます。多価不飽和脂肪酸は、体の中で作ることができないので、「必須脂肪酸」といわれ、食べ物から摂らなくてはなりません。
一価不飽和脂肪酸の代表はオレイン酸で、植物油やアーモンド、鶏肉の脂肪などに多く含まれています。一価不飽和脂肪酸も体内で作ることができる脂肪酸です。オリーブ油は70%以上が一価不飽和脂肪酸でできています。一価不飽和脂肪酸は、酸化されにくく、余分なコレステロールを排出する働きがあります。特に、悪玉(LDL)コレステロールだけを減らすという特徴を持っています。
多価不飽和脂肪酸は、いくつか結びついている炭素数の(n個)最後から何番目が二重結合かによって、リノール酸等のn-6系(最後から6番目が初の二重結合)、EPAやDHA等のn-3系(最後から3番目が初の二重結合)などに分けられます。
多価不飽和脂肪酸のうち、二重結合が2個のリノール酸、3個のγ(ガンマ)リノレン酸は植物油に多く含まれています。二重結合が5個で血栓を予防するEPA(エイコサペンタエン酸)、二重結合が6個で脳の働きを活発にするDHA(ドコサヘキサエン酸)などは、魚油中(特に背の青い魚)に多く含まれています。これらの不飽和脂肪酸を多く含む油脂は、常温で液体となります。
コレステロールを低下させる作用は、多価不飽和脂肪酸がダントツに高くなっています。(すべての植物油にコレステロールを下げる働きがあるわけではありません)但し、飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸も、カロリーは同じなので、摂りすぎれば肥満の原因になります。
「飽和脂肪酸」、「一価不飽和脂肪酸」、「多価不飽和脂肪酸」は体に対する働きがそれぞれ違うため、バランス良く摂ることが良いとされ、3対4対3の割合でとると良いといわれています。
2006年12月27日 19:09


