食物繊維はメタボリックシンドローム撃退の最大の武器
内臓脂肪を軽減し、メタボリックシンドロームから脱出するためには、「栄養のない栄養素」といわれる「食物繊維」を積極的に摂ることは非常に重要なことです。日本古来の食生活では、食物繊維は豊富でしたが、近年食生活が欧米化する中で、食物繊維の摂取量は減少傾向にあります。ご存知のように、食物繊維は、便通を整え、余分なコレステロールや有害物質を体外に排出する働きがあります。
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●低カロリーな上に食べ過ぎ防止・便秘改善や腸内環境にも良い
食物繊維は、「ヒトの消化酵素で、消化されない食物中の難消化性成分の総体」として定義されています。食物繊維は、胃腸を通過していく時に、余分な物を吸着して掃除してくれる重要な働きがあります。特に、コレステロールを排出するメカニズムは興味深いものです。
食物繊維が胆汁酸を吸着すると、新しい胆汁酸をつくるために、肝臓に貯えられたコレステロールが使われるので、結果的に血液中のコレステロールが減少するのです。(胆汁酸は、コレステロールから合成される消化液で、余分なものは小腸で吸収されて胆のうに戻り、再び十二指腸に分泌されます)このため、食物繊維は、高血圧・高脂血症・糖尿病・大腸がんなどの予防・改善に効果があります。
食物繊維は、水分を吸って、体積が大きくなるので、胃の中で膨らんで、満腹感を与えてくれます。したがって、食べ過ぎを防止すると同時に、カロリーも少ないので肥満対策にもなります。また、食物繊維は、腸の中でも膨張し、便の体積を増やし、排便をスムーズにするので、便秘にも効果があります。さらに、食物繊維は、腸の中にいる乳酸菌などの「善玉菌」も増加するので、良い腸内環境の維持にも役立ちます。
食物繊維を多く含む食品には、麦などの雑穀、豆類、いも類、根菜類、海草類、きのこ類、果物などがあります。海草類・きのこ類・こんにゃくは、特に低カロリーなので、カロリー制限をしている方におすすめの食品です。また、海草類・きのこ類はビタミン・ミネラルを豊富に含んでいます。また、海藻を原料とする寒天は、食物繊維を多く含むダイエット食材として、一時期ブームにもなりました。
厚生労働省より発表されている日本人の食事摂取基準では、1日の食物繊維の目安量は成人男性では26g程度、成人女性では20g程度となっています。また、現代の日本人の平均摂取量は16gといわれ、若干不足気味の傾向です。
代表的な食物繊維を多く含む食品例(五訂日本食品標準成分表より)〜可食部100gあたり〜
寒天 74.1g
黒キクラゲ 57.4g
ひじき 43.3g
干しシイタケ 41.0g
真昆布 27.1g
こんにゃく 2.2g
サツマイモ 2.3g
じゃがいも 1.3g
さといも 2.3g
ごぼう 5.7g
●食物繊維をもう少し詳しく・・・「水溶性食物繊維」・「不溶性食物繊維」
食物繊維は、「水溶性」と「不溶性」に大別され、体内での作用はそれぞれ異なります。
「水溶性食物繊維」は、「コレステロールの吸収を抑制する」、「ブドウ糖の吸収を穏やかにする」などといわれ、ペクチン・グアガム・グルコマンナン・アルギン酸・カラギーナンなどの種類があります。食品では、昆布やワカメなどヌルヌルした食品やコンニャクや芋などのネバネバした食品に含まれます。
「不溶性食物繊維」は、「便の体積を増やす」、「腸内環境を改善する」などといわれ、セルロース・ヘミセルロース・リグニン・イヌリンなどの種類があります。その他に、天然物を加工して機能を高めたものや、化学合成したものがあります。食品では、野菜(セロリ、ごぼうなど)に含まれる糸状の長い筋のある食品や小豆の皮などざらざらした食品に含まれます。
健康食品などに最もよく使われるのが難消化性デキストリンです。デキストリンとは、デンプンを化学的、あるいは酵素的な方法により低分子化したものの総称を指します。また、食品としての利用は、マルトデキストリン(グルコース8〜12個のポリマー)が良く知られています。マルトデキストリンはデンプンより低分子であることから消化されやすく、吸収されやすいと考えられています。
一方、デキストリンを焙焼し、酵素(α-アミラーゼまたはグルコアミラーゼ)で分解して難消化性部分を分離精製したものを「難消化性デキストリン」と呼び、小腸では分解されない難消化性の食物繊維として使われています。
厚生労働省では、ヒトでの有効性について「おなかの調子を整える」、「血糖値が気になり始めた方の食品」として認め、難消化性デキストリンを関与成分とした特定保健用食品として許可しています。基本的には、毎日の食事で補うことが出来れば良いのですが、不足している量(4〜10g)はサプリメントで補うのも良いと思います。(摂取の上限量の設定はありません)
2006年12月27日 18:55


