メタボリックシンドロームが招く「睡眠時無呼吸症候群」

「睡眠時無呼吸症候群」とは、読んで字のごとく「睡眠時」に「無呼吸」状態になるれっきとした病気です。英語では、「Sleep Apnea Syndrome」と表現され、日本でもSASと呼ばれます。日本人で睡眠中にいびきをかく人は、約2000万人いるといわれ、そのうちの約10%が「睡眠時無呼吸症候群」の患者さんといわれています。なぜか圧倒的に男性の方が多く、女性の約4倍ともみられています。

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脳やからだの酸欠状態は想像以上に深刻


患者さんの8年後の生存率は約60%前後?


「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上ある方が「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。重症になると1晩に500回以上も呼吸停止を起こしたり、1回の呼吸停止が3分以上なんていう患者さんもいるようです。


「無呼吸?、息をしない?」・・・それでは死んでしまうのではないか?と思われがちですが、実は、この無呼吸自体で、死んでしまうことはありません。但し、体内への酸素供給が著しく低下するため、特に、脳は一晩中、極度の酸欠状態に陥り、十分な休息がとることができません。


そのために、体に負荷がかかり、昼間に猛烈な眠気が襲ってきて、事故を引き起こすことがあるため、本人だけでなく家族や社会的にも問題となるのです。記憶に新しいところでは、新幹線の運転士さんのオーバーラン事件などがありましたが、実際にこの病気の人が事故を起こす確率は、健康な人の約10倍ともいわれています。


また、酸素不足により、心臓はできるだけ多くの酸素を送ろうとして、無理をしますので、心筋梗塞や不整脈を引き起こす危険性も高まります。ある調査では、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、心臓病にかかる危険性は健康な人の1.2倍〜6.9倍、脳卒中になる危険性は10.8倍ともいわれています。睡眠時無呼吸症候群の患者さんの8年後の生存率は約60%前後だったとする調査もあるようです。


睡眠時無呼吸症候群の原因は、ほとんどが肥満によるものです。睡眠中のあごやのどの筋肉が弛緩(ゆるむ)することにより、舌根部(舌の根元)や軟口蓋(なんこうがい:のどちんこの付け根)が気管に下がり、気道を閉塞(詰まる)してしまうのです。


睡眠時無呼吸症候群は、本人はなかなか気がつきにくいものです。旦那様の寝ているようすを、奥様が注意して見てあげて下さい。睡眠時無呼吸症候群特有のいびきは、普通の「スースー」、「グーグー」といった、音の長いものではなく、「(しばらく無音)・・・グバアッ!」という、こちらがビックリしてしまうようなものです。例えるなら、水の中に長く潜っていて、水面に上がり息を吸い込むときの感じに似ています。


「全くうるさいイビキだわ」などと一蹴せずに、異常を感じたら、専門医のところに受診するように、話してください。「イビキくらいで医者に行くなんて恥ずかしい」という理由で、まだまだ治療を受けている人が少ないのが現状です。


病院での治療では、CPAP(continuous positive airway pressure)装置という機械を用いて、チューブを経由して、鼻につけたマスクに加圧された空気を送り、その空気が舌根の周りの空間を広げ、吸気時の気道狭窄(狭くなる)を防ぐ方法が一般的です。


ぜひとも、心臓病や脳卒中、または不慮の事故の危険性があるのですから、「たかがお父さんのうるさいイビキ」と軽んじることなく、家族全員で真剣に考えてみてくださいね。

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2006年11月25日 19:40