善玉ホルモン「アディポネクチン」が肺疾患にも効果?

内臓脂肪から分泌される善玉ホルモンのアディポネクチンが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療にも効果があることを大阪大の研究チーム(*)がマウスの実験で突き止めたと発表しました。COPDは、喫煙などが原因で発症し、肺気腫や慢性気管支炎などを起こす病気で、患者さんは増加傾向にありますが、根本的な治療法は確立されていません。

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アディポネクチンが無いと呼吸機能が3割低下する


根本的な治療法方が無いCOPDに朗報か



久々なのでおさらいですが・・・アディポネクチンは、1990年代後半に松澤佑次・大阪大名誉教授(当時住友病院長)が脂肪組織の中から初めて発見した物質で、体の中では、脂肪組織だけが分泌して、肥満にかかわるさまざまな病気を修復するという自己防御の能力がある善玉ホルモンです。


アディポネクチンという名前の由来は、脂肪組織(アディポ)で作られ、いろんな臓器にくっついて(ネクチン)作用するという意味でつけられました。


そして、慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、息をするときに空気の通り道となる「気道」に障害が起こって、ゆっくりと呼吸機能が低下する病気で、以前は「肺気腫」・「慢性気管支炎」とされていた病気を、まとめてCOPDと呼ぶようになりました。ありふれた症状で始まり、ゆっくりと進行するため、異常を感じて受診したときには重症に陥っている場合が多い「肺の生活習慣病」です。


アディポネクチンは、動脈硬化や糖尿病などの防止に役立てる研究が進んでいますが、COPDの治療効果を確認したのは初めてということです。


アディポネクチンがCOPDに効果があるメカニズムとしては、アディポネクチンが肺血管を保護することで治療効果を発揮すると推定されています。


研究では、アディポネクチンをつくる遺伝子を欠損させたマウスを作製し、肺を調べたところ、生後8週間で呼吸機能が通常と比べて、約3割低下するなど、COPDに良く似た病状を示すことを確認しました。


そして、このマウスにアディポネクチンを投与すると、呼吸機能は1ヶ月でほぼ正常に戻ったといいます。


アディポネクチンの働きを強める薬を開発すれば、COPDの新たな治療法の開発につながる可能性があり、今後におおいに期待される研究となりました。


*大阪大学大学院 武田吉人助教(呼吸器内科)らの研究グループ


【参考記事】
善玉ホルモンのアディポネクチンに食欲を増進させる悪い作用?
メタボリックの診断基準に補足?〜アディポサイトカイン〜
善玉ホルモン「アディポネクチン」最新事情〜その1〜
善玉ホルモン「アディポネクチン」最新事情〜その2〜
善玉ホルモン「アディポネクチン」最新事情〜その3〜
善玉ホルモン「アディポネクチン」最新事情〜その4〜

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2011年01月30日 10:41