国際的な統一基準の策定始まる、腹囲優先は日本だけに

腹囲の測定とBMI値をメタボリックシンドローム診断の第1ステップとして、2008年4月から特定健診・保健指導制度(いわゆるメタボ健診)が始まりました。ところが、その腹囲測定が国際的な統一基準の必須条件から外されることになった模様で、国内の医療現場の混乱は、さらに拍車がかかる事態になってきました。

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「男性85センチ、女性90センチ」は国民的な注目を集めたが・・・


日本側は「日本の基準は正しく変える必要ない」と表明



このメタボリックシンドローム診断の国際的な統一基準については、2008年度内に暫定的な基準が公表され、今後、世界のメタボリックシンドローム診断や治療のスタンダードになっていくと思われます。「男性85センチ、女性90センチ」というわかりやすく、インパクトのある日本の基準は、今回の特定健診・保健指導の「目玉」的なキャッチフレーズとなっていますが。


但し、今回の国際的な統一基準に対して、日本側は従う意向はないようです。日本の基準は、腹囲によって対象者をかなり絞り込んでいて、効率的な対策を実施するという意味では正しく、変える必要はないとしています。しかしながら、世界とは異なる診断基準で、いつまでも公的な健診を続けることに、疑問を抱く専門家が出てくることは必至です。


そうはいいつつも、日本だけが特異的に「おかしい」というわけではなく、世界には複数のメタボリックシンドロームの診断基準が存在しています。


旗振り役は国際糖尿病連合と米国コレステロール教育プログラム



今回、国際的な統一基準を呼び掛けたのは、国際糖尿病連合(略称IDF・約150カ国加盟)と米国コレステロール教育プログラム(略称NCEP)でした。


IDFの基準は、腹囲が基準値以上で、中性脂肪など血液検査の結果の4項目のうち2項目に異常があれば、メタボリックシンドロームと診断される(腹囲は人種別に設定)。


NCEPの基準は、腹囲など5項目のうち3項目に異常があればメタボリックシンドロームと診断される。腹囲は、必須条件ではなく、基準値は1種類しかない(男性102センチ以上、女性88センチ以上)。


今回の国際的な統一基準は、このNCEP案を基本として、腹囲は必須条件から外れるが、1つの項目として、人種別に設定されます。したがって、NCEPの基準では、肥満でなくても他の項目に異常があればメタボリックシンドロームと診断されることになるのです。


困難極める健診現場、腹囲基準は本当に変わるのか?



現在、国内の健診現場では、受診者が検査項目の変化には気づいても、腹囲測定など何を目的とした健診に変わったのかを理解している人は少ないといいます。また、腹囲測定に対して、「根拠が理解できない」、「スポーツで鍛え、腹囲が大きい場合も基準に引っかかるのはおかしい」などと受診者から疑問の声が上がることもあるといいます。


また、日本のメタボリックシンドローム診断を策定した日本内科学会など8学会による腹囲基準には、「世界で唯一、男性の基準が女性より小さい」など、策定当初から再検討を求める声が相次いでいます。


「日本基準は正しく、変える必要はない」と断言している8学会でも2008年3月に、「基準の再検討」に取り組む方針を発表しました。また、厚生労働省の研究班も、2万4000人のデータから最適な基準を導き出す作業を始めているといいます。腹囲基準を何センチにすべきかとう議論は、当分収まることはないでしょう。


【参考記事】
メタボリックシンドロームの診断基準
なぜ女性が腹囲の基準で5cm大きいの?
なぜ「男性85cm以上、女性90cm以上」?
腹囲の正しい測り方
新しい「標準的な健診・保健指導プログラム」とは?

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2008年08月24日 10:35