メタボ健診で「がん」や「腎臓病」が逆に増える?

市町村では、特定健診・保健指導を無料にするための経費削減策の一環として、がんなど他の検診への補助や人間ドック受診者への補助を削減する動きが出ているようです。医療費削減を狙った今回の制度が、本末転倒にならなければ良いのですが・・・

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太る「メタボ健診」痩せる「がん検診」


慢性腎臓病やかくれ肥満もスルーパス?



観光スポットとして有名な北海道富良野市では、昨年度まで実施していた国保加入者に対するがん検診への助成(500-2000円)を廃止し、浮いた1600万円をメタボ健診の無料化にあてるといいます。


一方で、国は昨年策定した「がん対策推進基本計画」で、がん検診受診率を5年以内に50%とする目標を掲げています。このままでは、がん検診の受診率が落ち込む恐れがありますが、どこの市町村でも今はメタボ健診の実施に躍起になっており、がん対策まで考えられないというのが実情のようです。


「がん対策推進基本計画」と「メタボ健診」の板ばさみになり、ペナルティーの科せられる「メタボ検診」が、優先ということなのでしょうか。


「メタボ健診」太れば「がん検診」痩せる・・・と、うまいこと皮肉った新聞の見出しがありましたが、各市町村では、がん検診受診者への補助削減の他にも、人間ドック受診者への補助削減やメタボ健診の対象外の40歳未満の健診の縮小などの経費削減策を講じていくようです。


また、メタボに限定した検査で他の病気を見落とす可能性も出てきました。例えば、従来の住民基本健診で実施されていた「血清クレアチニン検査」が、今回の「メタボ健診」では外されています


「血清クレアチニン検査」は、慢性腎臓病の早期発見に、有効とされています。慢性腎臓病の患者数が、全国で約2000万人に上るという実態に逆行しているのではと懸念されます。実際に、ある調査では、43%の市町村が今後「血清クレアチニン検査」は実施しないと答えているそうです。


その他にも、男性の腹囲85センチという基準で第1関門をクリアした人の中には、「やせていても高血圧や高血糖になる危険が高い人」もいるわけで、そういう「かくれ肥満」の人が該当者から外れる危険性も出てきています。


【参考記事】
厚労省、内臓脂肪の減少に向け、保健指導の見直し
2012年までにメタボリックシンドローム200万人減計画?
新しい「標準的な健診・保健指導プログラム」とは?
新しい健診・保健指導がメタボリックに注目する3つの理由
新たな健診で検査項目はどう変わるのか?(全員必須)

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2008年08月17日 11:32